ガラスの十字架【短編*完結】



なんだかふらついているような結衣の身体を…


僕はぎゅっと抱きしめた。


『…どうした?寒かったのか?』


『…え?どうして?』


『なんだか…顔色がよくないから。』




結衣は…


僕の腕の中でクスッと笑った。


『蓮……?』


小さな声で、結衣は僕の名前を呼ぶ。


『…ん?なんだよ?』


僕は結衣の頬に手をあてると、


結衣は僕のその手をぎゅっと掴んだまま顔をあげた。


……愛しい笑顔を。