ガラスの十字架【短編*完結】



コートを脱いでロッカーの中にかけた。


『よいしょ…っと。』


ぐるぐるに巻いていたマフラーをほどこうとしていると……




『あ、柊斗君?』


この声は…


主婦さんでマネージャーの篠原さん。




『…はいっ、そうですっ。』


控え室の奥から呼ばれ、僕は慌ててマフラーを手に持ったまま篠原さんのもとへ小走りした。




そこには……


篠原さんともう一人、


見慣れない後ろ姿の女の人がいた。