部屋に戻り


「大丈夫か?」

「はい、大丈夫です。酔っ払ってないですから」

「……」

頼むからそんなに見ないで!

「きき恭介さん」

「ん?」

「今日は恭介さんが先にお風呂に入って下さい」

「ん?」

「わ、私が先に入ったら…また、ね、寝ちゃいそうなんで」

恥ずかしい。

「…寝てもいいぞ」

へっ?

「お前が嫌なら…無理強いはしないから」

「ち、ち、違うんです」

「ん?」

「ききき恭介さんに…」

「ん?」

上手く言えるかな。

「だ、抱かれるのが嫌とかじゃ…ないです」

「……」

社長がソファーに座ってる私の前にひざまづいて

私の頬を撫でながら

「ゆっくりでいいから自分の言いたい事を言ってみ」

「は、はい」

社長の手に手を添え

「恭介さんに抱かれるのが嫌とかじゃなくて…どどどうしたらいいのか分からないんです」

「ん」

「ほ、ほんとになんにも知らないから恭介さんが…」

「俺が?」

恥ずかしくて頭が段々下に…

「が、ガッカリしたら…とか」

「フッそんなことあるわけねえだろ」

「……」

「それにな、お前も不安だろうけど…俺も不安なんだぞ」

「えっ?」

社長が不安って…どういうこと?