「ブホッ!」

社長がコーヒーを吹き出した。

「だ、大丈夫ですか?」

慌てて おしぼりを渡す。

「お、お前なぁ」

「は、はい?」

「俺、変態じゃないから」

「へっ、へ、変態?」

「声がでかい」

慌てて手で口を押さえて、周りを見る。

大丈夫ね、聞こえてないよね。

「俺がなにするって思ってんだ?」

「えっ? だ、だって恭介さんが」

「俺が?」

また片眉が上がりかけてるよ。

「俺がなんだって?」

「なにしてもいいんだなって」

「もう、いい」

「えっ?」

残りのコーヒーを飲み干し

「行くぞ」

「あ、はい」

カフェを出て、再び車で