ホテルを出て、海岸沿いへ
「あっ、恭介さん、花火してますよ」
浜辺で花火をしている子ども達や、学生のグループが。
「私達も買ってくればよかったですね」
「……」
花火を見ながら
「あっ」
「ん?」
「今日は七夕ですね」
「あ、あぁ」
「見えますかね?」
空を見上げる。
「織姫と牽牛」
「……」
「天の川って見えますか?」
「見えると思うけど」
「……」
「……」
天の川は分かったけど
「織姫と牽牛は…と」
「お前、織姫と牽牛がどの星か知ってんのか?」
「えっ?」
そういや、どの星だったっけか?
「な、なんでしたっけ?」
「織姫が、こと座の一等星のベガ。牽牛がワシ座の一等星のアルタイル」
「へ~ 凄いですねぇ、恭介さん」
やっぱり頭いいわ。
尊敬しちゃう。
「いや、凄くないし。常識だろ」
常識なんだ。
「落ち込むな」
引き寄せて、頭を撫でてくれた。
――
―
「ぼちぼち戻るか?」
「はい」
ホテルに戻り
「酒飲みに行くか?」
「あ、はい」
あの地下のお店に行くのかな?
ちょっと…嫌なんだけど。



