Apasionado!~俺様社長様の甘い誘惑~




夕方6時

コンコン

「ん」

「社長」

「ん?」

「今、いいですか?」

「ん」

「今日、先輩と晩御飯に行ってもいいですか?」

「ん?先輩って副社長秘書?」

「はい。先輩も旦那様の帰りが遅いらしいので一緒にご飯食べようって誘って頂きました。駄目ですか?」

「ん、行って来たらいい。その方が安心だし。遅くなりそうならタクシーで帰れ」

「はい、ありがとうございます。では失礼します」

部屋を出ようと向きをかえたら、腕を捕まえられた。

「社長?」

抱きしめられ

「俺、遅くなるかも知れないからお前、先に寝てろ。いいな」

「はい」

「一応連絡はするけど」

「あ、そんな途中で連絡は駄目です。座がしらけたら」

「ん、分かった。戸締まりだけはちゃんとしとけ」

そんな頼りないのかしら。

「ん、どうした?」

「あ、いえ。今日後なにかありますか?」

「いや、今日はもうない」

「はい。お疲れ様でした」

「ん」

まだ、抱かれたまんまなんですけど。

「社長達は6時半には出て下さいね。タクシー頼んでありますから」

「ん」

「じ、じゃあ私は…ぼちぼち上がらせてもらいますね」

「ん」

まだ離してくれない。

「社長…そろそろ離して頂けませんか?」

社長はニヤリと笑って

「嫌」

嫌って言われても。

「社長」

「クククク…」

軽く唇を合わせて

「ほら、放免してやる」

「もう!社長、いつも言いますが此処は職場ですよ」

「それがなにか?」

しらを切ってるし。

「キ、キスとかは…しちゃいけないと思います」