ベランダに出て

後ろから抱きしめ

コイツの体が緊張してる。

「ほんとに悪かった」

「……」

「関係ねぇから」

「……」

「ほんとに1、2回、飯行っただけだから」

「……」

「それ以外なにもないから」

「……」

抱く腕に力が篭る。

「なんとか言えよ」

コイツを俺の方に振り向かせ

「お前…」

目に、今にも溢れそうな涙が!

「お風呂…入って来ます」

俺の手を振りほどいてバスルームへ駆け込んだ。


やっと少しずつ心が通い合ってきたと思ったのに…

また、アイツの心は殻に閉じこもってしまった。

自業自得と言えばそれまでだけど。

アイツ…今、俺と顔を合わせたくないだろう。

先に寝室へ行くか。

そうすれば入って来るだろう。