車の中で

「お前、そういえば何時もその金のネックレスしてんな」

「あっ、これですか?」

「寝てる時もしてる」

「お守り代わりなんです」

コイツはネックレスを触りながら

「お守り代わり?」

「はい。20歳の誕生日にお祖父ちゃんとお祖母ちゃんから貰ったんです。金の物を身につけてるといいって」

「へぇ~」

お守りか。

――



暫く車を走らせて

「昼飯…簡単でいいだろ?」

「はい」

連れて来たのは蕎麦屋。

「此処の蕎麦は美味い」

店に入り、蕎麦を注文して

「いただきます」

「……」

コイツは一口食って

「美味しい」

嬉しそうな顔だな。

やっぱり色気より食い気か。

「だから言ったろ」

それからは話しもせずニコニコと食い続けてる。

「ごちそうさま」

「……」

食い終わり…俺を見て

「ん?」

「えっ?」

「何か言いたいことでも?」

「滅相もない」

「はぁ?」

「へっ?」

話しがおかしい。