その顔があまりにも可愛く愛しくて

「このお返しは…お前からキスな」

耳元でこっそり囁く。



「なっ、なにを」

恥ずかしがって…また赤くなった。

「お前…真っ赤」

沸騰しそうな程、真っ赤!

それだけ俺を意識してくれてるってことか。

なら、嬉しいんだが。


ん?どうした?

今度は何か居心地が悪そうに俯いてるし。

「ん、どうした?」

「えっ!な、なんでもありません」

なにもないわけないだろ。

店を出て

俺から離れようとするし。

「ん?言ってみ」

「……」

「ほら、さっさと」

「社長と一緒にいてもいいのかなって」

「……」

「私なんかといて…不釣り合い」

「馬鹿か!」

「人なんか関係ねぇだろ。俺が、この俺が、お前がいいつってんだ。それにな」

声を潜めて耳元で

「お前は可愛いから」

ビックリして俺をマジマジ見てるし。

コイツは自覚がなさすぎだ。

通りすがりの男達がコイツをまるで涎を垂らさんばかりに見てんのに!

赤くなってるコイツに

「ほら、行くぞ」

「あ、はい」

先に歩き出すと慌てて着いてくる。


ホテルに戻り

「その花柄のに着替えて来い」

「……」

「早く」

「はい」

暫くして寝室から出て来た。

「遅かっ」

振り返ってコイツを見た瞬間、言葉が…

「ぉおかしいですか?」

「あっ、いや…ただ、髪上げてっから…初めて見た」

髪をアップにしてるコイツを見るのは初めてだ。

妙に色っぽい。

「昼飯食いに行くぞ」

いつまでもこの部屋にいたら俺の理性が何処まで持つか自信がない。