「あ、明日…辞表書きます」
「何で?」
「い、いえ、社長の一時の気の迷いからのプロポーズだとしても、お断りしたんですから秘書として務めるのは」
絶対 虐められる。
「辞めてどうすんだ?いっちゃあ悪いが、こんな給料他では貰えんぞ」
「バイトでもします。貯金もありますし、何とか暮らしていけます」
何とかなるわよ。
「フッ 嫌われたもんだな」
煙草に火をつける。
「辞めるのは認めん。次の秘書なんて存在しないだろうし」
確かに。 なり手は難しい。
「じ、じゃあ プロポーズは無かったことに」
「それは駄目だ」
「……」
「俺にNOと言ったのはお前が初めてだ。返って闘志が湧く」
負けず嫌い。
NOと言う葉を受け付けない俺様。
「じゃあ 秘書辞めます」
「だから辞めるのは許さんつっただろうが」
「……」
私、どうしたらいいのよ?
「安心しろ。仕事とプライベートは別だ」
「…はぁ」
「もう一杯コーヒー飲むぞ」
「はぁ」
コーヒーのお代わりを頼み煙草を燻らせながら、私を見てる。
何、この無気味な沈黙は!
気まずい、非常に気まずい。



