「お前、俺からただで教えてもらう気?」
へっ?
どういう事?
「お礼は?」
「お礼?」
そもそも食事の支度とか社長の食器を洗ったげてんのに何で私が『お礼』しなくちゃいけないのよ?理屈に合わない。
「ほら、お礼は無しか?」
ちょっとカチンときた。
「社長」
「何だ?」
「じ、じゃあ夕食の支度したお礼をして下さい」
「……」
「お、お風呂も わ、沸かしました」
「俺に礼をしろと?」
ちょっと怖い。
「だ、だから…おあいこと言う事で…」
「お礼ね…いいぜ、してやる」
「へっ?」
な、何か嫌な予感。
えっ?
私の耳元で
「お礼はベッドの中でたっぷりとな」
「ヒ、ヒャッ!」
耳に…キ、キスさ れた。
それって!…もしかして
「けけけ結構です。おおおお断りしします」
慌てて飛びのこうとすると
「遠慮はしなくていい」
抱きしめられた。
「はは離して下さい」
「嫌」
嫌って言われても困るんですけど。
「ごごごめんなさい。嘘です。おおお礼ななんて滅相もない。遠慮しときます」
「遠慮はいらんぞ」
こ、今度は首筋に…キ、キスした!
「や、止めて下さい。おお願いします」
「嫌」
「し、社長~ ゥ…グスグスン…ヒック…」
「クククク…お前はガキか!こんくらいで泣くな」
私の頭を胸に押し付けて…笑い続けてる。
やっぱり、スケベで、どSだ!



