恋愛ウエディング

素敵だと思った。

あの時の彼を。

誰かの為に土下座できる人が、この世にはどれくらいいるんだろう。

家族の事をこんなに愛せる人が、愛している事を隠さない人が、この世にはどれくらいいるんだろう。


この人、素敵だ。

素敵な、人だ。


胸が熱くなった。


そう。

熱くなったんだ。

とても。


だから私は、今ここにいるんだ。


隣の彼が息を飲んだのがわかった。

微かなその音を聞き、一気に羞恥がこみあげる。

顔が真っ赤になったのがわかった。

汗が噴き出す。


た…大変だ。

いくら場を何とかしようとしていたとはいえ私、何て事を言ったのだろう。


これじゃ…、これじゃまるで……、…告白……。



「…そのあと」



私の思考を遮り、私の言葉に繋げるように、健二さんがマイクを奪った。



「彼女も俺に土下座したんです」



会場と同様、私もぽかんとした。


「俺が勝手に土下座したのに。勝手な頼みごとしてるのに。彼女は土下座したんです。ごめんなさいと言って。自分こそごめんなさいと言って。そうして俺が人前で土下座している恥を一緒に被ってくれたんです。自分のせいにして」


優しい瞳が、私にふってきた。



「…素敵な人だと…思った…」



その甘さに

眩んだ。