盗み見るようにして隣を見つめると、健二さんはまだ茫然としたまま微動だできていなかった。
その姿がひどく憐れだ。
この人、こんなに背が高くて格好良くて、声も綺麗で素敵な人なのに。
私の姉のせいで、私の家族のせいで、こんな窮地に立たされて自失している。
…ごめん…なさい…。
申し訳なくて、頭痛がした。
私は自分に喝をいれる。
私が。
私がなんとかしなくちゃ
私が。
必死で記憶を探る。
義兄と姉のなれそめ。
ノロケ話。
無駄話。
何でもいい。
何でもいいから会場の人を騙せる話を構築するんだ。
早く
早く!!
……しかし。
想像力のない私は即座にそんな話を作ることができる程頭の回転が良くなかった。
まったく何も浮かばない。
どうしよう。
どうしよう。
焦るばかりで時間が過ぎる。
どうしよう。
本当にどうしよう…!!
ーーーーーその時。
隣の人のあの姿が、脳裏に浮かんだ。
「…ある、時」
ほとんど無意識に、声を、出していた。
「すごいハプニングが起こって…」
話し始めた私に、会場の視線と耳が集まっていた。
そして、隣からも。
「それは…彼のせいじゃなかったんですけど、でも…その時彼は…土下座したんです」
そう。
これは義兄と姉の話じゃない。
「…私に」
さっきあった、私と彼の話。
それならできると思った。
義兄と姉の経緯も心も私にはわからない。
でも、自分のことなら、言える。
だから。
私は続けた。
「そのハプニングをなんとかしたいから手伝ってくれって言って、土下座したんです。ごめんって。頼むって。皆のために」
その時の事を思いだし、私は少しだけ本当に微笑めた。
「…素敵な人だと…、思ったんです」
それは
本音だった。
その姿がひどく憐れだ。
この人、こんなに背が高くて格好良くて、声も綺麗で素敵な人なのに。
私の姉のせいで、私の家族のせいで、こんな窮地に立たされて自失している。
…ごめん…なさい…。
申し訳なくて、頭痛がした。
私は自分に喝をいれる。
私が。
私がなんとかしなくちゃ
私が。
必死で記憶を探る。
義兄と姉のなれそめ。
ノロケ話。
無駄話。
何でもいい。
何でもいいから会場の人を騙せる話を構築するんだ。
早く
早く!!
……しかし。
想像力のない私は即座にそんな話を作ることができる程頭の回転が良くなかった。
まったく何も浮かばない。
どうしよう。
どうしよう。
焦るばかりで時間が過ぎる。
どうしよう。
本当にどうしよう…!!
ーーーーーその時。
隣の人のあの姿が、脳裏に浮かんだ。
「…ある、時」
ほとんど無意識に、声を、出していた。
「すごいハプニングが起こって…」
話し始めた私に、会場の視線と耳が集まっていた。
そして、隣からも。
「それは…彼のせいじゃなかったんですけど、でも…その時彼は…土下座したんです」
そう。
これは義兄と姉の話じゃない。
「…私に」
さっきあった、私と彼の話。
それならできると思った。
義兄と姉の経緯も心も私にはわからない。
でも、自分のことなら、言える。
だから。
私は続けた。
「そのハプニングをなんとかしたいから手伝ってくれって言って、土下座したんです。ごめんって。頼むって。皆のために」
その時の事を思いだし、私は少しだけ本当に微笑めた。
「…素敵な人だと…、思ったんです」
それは
本音だった。

