あまり自由な会話時間を設けなかったもの幸いし、私の両親と義兄の母以外にはどうやらばれずに済んだらしい。
義兄からも連絡が入り、母子ともに無事とのこと。
式後に姉は疲れた事にして、二次会は兄だけでやるそうだ。
私達は、解放される。
…よかった。
色々。
私達は盛大に息を吐き、座り込んだ。
…終わった。
色々。
ほっとした。
気が抜けた。
断然安堵が強かった。
なのに…私はどこか残念だった。
美味しい料理をほとんど食べられなかった事じゃない。
綺麗なドレスを脱がなきゃいけない事じゃない。
特別なメイクを落とす事じゃない。
なのにどうして残念なのか。
私はそれを、形にしないようにして立ちあがる。
それはしないほうがいいから。
知らないほうがいいから。
それをしてしまったら
知ってしまったら
崩れそうだから。
そう。
言葉にしたら崩れそう。
行動にしたら
崩れそう。
『家族』の枠に入るだろう人に芽生えたこの気持ちを形にしてしまったら、均衡が、崩れる。
だから。
かけちゃいけない。
声を。
触れちゃいけない。
肌に。
…帰ろう。
そう思って、健二さんに一礼をしようとした時だった。
「腹、空いてない?」
ぼそっと声を、
かけられた。
「いい店…知ってたりするんだけど」
…………かけてはいけない。
………声を。
…………触れてはいけない。
……肌に。
そう思っていた人は、私に食事を提案してきた。
しっかりと、手を
掴みながら。
◆◆◆◆◆
義兄からも連絡が入り、母子ともに無事とのこと。
式後に姉は疲れた事にして、二次会は兄だけでやるそうだ。
私達は、解放される。
…よかった。
色々。
私達は盛大に息を吐き、座り込んだ。
…終わった。
色々。
ほっとした。
気が抜けた。
断然安堵が強かった。
なのに…私はどこか残念だった。
美味しい料理をほとんど食べられなかった事じゃない。
綺麗なドレスを脱がなきゃいけない事じゃない。
特別なメイクを落とす事じゃない。
なのにどうして残念なのか。
私はそれを、形にしないようにして立ちあがる。
それはしないほうがいいから。
知らないほうがいいから。
それをしてしまったら
知ってしまったら
崩れそうだから。
そう。
言葉にしたら崩れそう。
行動にしたら
崩れそう。
『家族』の枠に入るだろう人に芽生えたこの気持ちを形にしてしまったら、均衡が、崩れる。
だから。
かけちゃいけない。
声を。
触れちゃいけない。
肌に。
…帰ろう。
そう思って、健二さんに一礼をしようとした時だった。
「腹、空いてない?」
ぼそっと声を、
かけられた。
「いい店…知ってたりするんだけど」
…………かけてはいけない。
………声を。
…………触れてはいけない。
……肌に。
そう思っていた人は、私に食事を提案してきた。
しっかりと、手を
掴みながら。
◆◆◆◆◆

