誠〜あなたと一緒なら〜

夫にも挨拶が終わり、結愛を抱き玄関に向かう。

結愛をベビーカーに座らせブランケットを掛ける。

自分の肩にボストンバックとショルダーバックを掛け、玄関の鍵を閉める。

優「よしっ！結愛〜、これからばぁばに会いに行くよ〜。出発〜。」

ベビーカーに乗っている結愛もお出かけすることに嬉しそうにしている。

ベビーカーを押しながら駅までは徒歩で１５分。

歩いていると、途中にある公園の前で足を止めた。

季節は春。

公園の入口には大きな桜の木が顔を出していた。

暖かい風が吹き、まるで桜の花びらが優達を囲んでいるようだった。

優「わぁ……、綺麗。綺麗だね。結愛。」

と、ベビーカーの中を覗くと、歩いている時の振動が気持ち良かったのかスーッ、スーッと、寝息を立てて結愛は寝ていた。

優「早っ（笑）。せっかく綺麗に咲いているのに見ないなんて勿体ないぞ〜。」

もう一度、桜の木を見て呟いた。