大人恋愛部

煮え切らない思いを抱えたまま
退社し、最寄りの地下鉄駅へと向かってた私を携帯電話が止めた


私の携帯は今では「ガラパゴス」と呼ばれているらしいが
今流行りのスマートフォンに変えるつもりはない


変えたからと言っても最新機能を使いこなせる自信が無い

今の携帯だって仕えてない機能がたくさんあるのに…

ライン?アプリ?
SNSなんて私には異次元



着信は街コンで出会った美容師の望月君だった

思えば番号を交換してから何度かメールをしただけで
直接会ったり、電話をするのは初めてだった

思わず咳払いをして通話ボタンを押す

「もしもし。」


『望月です。今晩は。今電話平気ですか?』


「こんばんは。大丈夫よ。
ちょうど会社出たところなんだ。」


『良かった。
今日ってお時間ありますか?
街コン以来会ってないし、良かったらメシ食いに行きません?』


スマートなお誘いに気が付けば足が止まっていた

後ろから続く通行人の舌打ちを聞きそそくさと道端に移動した


ご飯か…うん、とくに用事もないし…


「良いよ。行こう。
どこに行く?待ち合わせは?」

『やった。
星野さんの会社、丸の内でしたよね?

じゃあ、東京駅の八重洲口なんてどうですか?
新しく出来た東京駅の中でメシ食いましょうよ。』


新しくなった東京駅
いつも通勤で使うもののじっくりとみた事は無かったので
素直に興味をそそられた


「OK。じゃあ、今から向かって大丈夫?」


即返事をしてふと目の前のウィンドウに映った姿に目が止まった
そこにいたのは嬉しそうに頬を緩ませ、身なりを確認する私がいる

髪形を気にして、服装を気にして、メイクを気にしている自分に衝撃を受けた