「成美さん大丈夫よ~
ご自分で祈願しなさい。」
「はい。わかりました。」
毎日毎日病院と自宅の往復。
のんちゃんは必死でまだ見ぬお腹の
赤ちゃんを守ろうと必死で戦った。
入院は3週間位
その間にのんちゃんの旦那のお父さんが
決めていた披露宴の前日
「明日披露宴じゃから出席出来ないん
じゃから手紙を書いてくれる⁇」
披露宴は延期する事なく行われた。
しかもあのバカ親父
パソコンで私…2万円、私の母…2万円
弟、弟の嫁、妹、妹の旦那、もう1人の弟。
それぞれ金額を指定してきた。
「あんた何考えとん。あんたの親父もそう。
人が聞いたら笑われるで。
なんぼ(何歳)になってこんな事
書いてきょんよ。延期せんかい‼」
「延期したらお金がかかるから…」
アホとしか言いようがない。
花嫁がいない披露宴なんか聞いた事がない。

しかし、私はのんちゃんの好きなように
衣装を着せて貰った手前出席した…
皆に笑われながら…
これで借りは返した。
そう思った。
その披露宴でもビックリするような出来事が
あった。
ウエディングケーキ入刀‼
「花嫁様ご欠席の為お母様でいらっしゃいます
成美光様…花婿様とケーキの入刀をお願いします。」
は~そんな話聞いてないしバカげてる‼
私はそう思いながらケーキ入刀した。
そこで披露宴は終わった。
私はのんちゃんが入院する病院へと急いだ。
病室には離婚した旦那が付き添っていてくれた。
「のんちゃん大丈夫⁇」
「うん。食べ過ぎて看護士さんに叱られた…」
笑うのんちゃんの顔に寂しさを感じた。
「光、皆にジュースでも買ってきてあげ~」
元旦那に言われジュースを買いに行った
私の弟夫婦、妹夫婦、弟が皆心配して病院に来てくれた。
私は申し訳ない思いでいっぱいだった。
しかし気のきかないのんちゃんの旦那に腹立ちを感じた。
(あんたが飲み物買いに行くのが普通だろ‼)
遠い鳥取から来てくれた妹夫婦はかなり頭にきていたようだ。
皆を送り出した私はのんちゃんの旦那に一言…
「花婿のいない披露宴は聞いた事あるけど花嫁のいない披露宴は初めてだ‼
恥ずかしいと思わないのか‼」
怒り爆発…
黙って話を聞いてるのんちゃんの旦那
何とも言えないバカだ…
しかもあろう事か入院して薬の副作用に耐えてるのんちゃんに
「のんちゃん肩もんで…」
このような新種は初めてお目にかかる。
私は16歳からお水の道に入り色々な男性を見てきたがこのような新種は知らなかった