夕暮浪漫




(………今日もいた…。)



展望台にあるベンチで真っ直ぐ夕陽を見つめる後ろ姿。


彼女を初めて見たのは一週間前の補習の帰りだった。


長い髪を風に踊らせ一人で夕陽に染まる背中は目を引いた。


日が暮れ始めたこの時間に公園には人が少なく
女子高生が一人でベンチにいるなんて、なかなか珍しい。





空なんて気にとめるようなガラじゃないから
普段なら何気なく通り過ぎていたこの夕暮れも

彼女の存在が気付かせてくれた。