【短】猫似男

「あはは!そこ、こそばい」


空気の読めないあたしは、つい笑ってしまった。

だって、こそばいの苦手なんだもん!


けどそんなあたしの反応を見て、また不機嫌な顔になる幸人。


「笑って欲しいわけじゃないのにーっ」


拗ねると一段とかわいい。

もう少し意地悪してみたくなっちゃう。




でも、幸人をあたしが操れるわけもなく。


やっぱり男の子なんだってギャップに、一言で落とされる。


「杏奈をゾクゾクさせたい」


その声を聞いただけで、あたしの頭はもう何も考えられなくなった。


幸人になら、何をされてもたぶん許す。


それからずっと、ベッドで幸人を感じてた。

一晩中…。