「入るね勝ちゃん」

ナースではなかった。

「どうぞ」

部屋に入って来たのは春菜だった。

「勝ちゃんなんかごめんね」

いきなり謝って来た春菜に驚いた。

「なんでだよ謝ることは無いよ、でもなんか来てくれてありがとう」

病院の個室で1人淋しかった僕は、春菜が来てくれたことがとても嬉しかった。
「勝ちゃん隣に座っていい?」

僕のそばに歩みよって来た。

「いいよ、ちょっと待って、よいしょっと」

ベッドから起き上がるとベッドの下から椅子を取り出そうとした。

「待って、無理しないで」
春菜が椅子を取り出した。座ると、

「そうだよな、無理しちゃ駄目だよな僕は病人だもんな」

徐々に現実と向き合おうとする自分がいた。

「気を落とさないで・・・って無理だよね」

泣き出す彼女。

「おい泣くなよ、泣いた顔は嫌いじゃないけど好きでもないよ」

僕は泣いてる彼女の手を取り笑って言った。

「そうだね、笑わないとね嫌われちゃうもんね」

涙を拭いて笑ってくれた。彼女といると自然と癒されていった。

「なぁ春菜?春菜にとっての俺ってどういう存在?」