カウンター内には数人のボーイがおもいおもいに接客したり、カクテル作ったり。その中に見覚えがある赤い頭。耳のピアス……
「武志!?」
呼ぶ声に気付いてこっちを振り向く。やっぱり武志。それが太陽と桜だとわかるとパッと表情が変わった。
「太陽さんっ。ちわっす!」
「おぅ。元気にしてたか?」
「もちろんっす!あの後太陽さんの口利きのおかげで『R』からも足あらえましたし、バイト先も紹介して貰えて感謝してもしたりないっす!」
「別になにもしてねぇよ。ま、頑張れな」
「はいっ」
頬を高揚させて話す武志。そして改めて桜に手を上げる。
「よぉ江本。お前、幸せだぞ?太陽さんのそばに居れて」
「え~…?」
-幸せ?太陽の側が?どうしてよ-
でも確かに今日の太陽は優しい。気を使って連れ出してくれて、今も私が怯えないように指を絡ませてくれてる。この間だって………
-ダメダメ!私には元兄ィがいるんだから-
でも元気は今もあの女性と一緒にいる(仕事だけど)。
-私より優先したいものってなに?-
武志が勧めてくれたカウンター席に太陽に促されて座る。
「桜、どした?また元兄ィのこと考えてたのか?」
俯いたままの桜を気にして太陽が覗き込む。
「…………」
無言の桜。それを見て溜め息をつくと、武志に向かって『ウーロンふたつ』と不機嫌そうにオーダーする。
「今日はソフトドリンクでいいんすか?」
「コイツ乗せて来てるから!」
「あ、はい。了解っす」
「なぁ桜………」
「………なに?」
「あんな兄貴なんかやめちまえ」
「は?」
思わず太陽を見ると、頬杖ついたままカウンター内の一点を見つめてる。
「俺なら桜だけにする。他の女なんか要らない」
「武志!?」
呼ぶ声に気付いてこっちを振り向く。やっぱり武志。それが太陽と桜だとわかるとパッと表情が変わった。
「太陽さんっ。ちわっす!」
「おぅ。元気にしてたか?」
「もちろんっす!あの後太陽さんの口利きのおかげで『R』からも足あらえましたし、バイト先も紹介して貰えて感謝してもしたりないっす!」
「別になにもしてねぇよ。ま、頑張れな」
「はいっ」
頬を高揚させて話す武志。そして改めて桜に手を上げる。
「よぉ江本。お前、幸せだぞ?太陽さんのそばに居れて」
「え~…?」
-幸せ?太陽の側が?どうしてよ-
でも確かに今日の太陽は優しい。気を使って連れ出してくれて、今も私が怯えないように指を絡ませてくれてる。この間だって………
-ダメダメ!私には元兄ィがいるんだから-
でも元気は今もあの女性と一緒にいる(仕事だけど)。
-私より優先したいものってなに?-
武志が勧めてくれたカウンター席に太陽に促されて座る。
「桜、どした?また元兄ィのこと考えてたのか?」
俯いたままの桜を気にして太陽が覗き込む。
「…………」
無言の桜。それを見て溜め息をつくと、武志に向かって『ウーロンふたつ』と不機嫌そうにオーダーする。
「今日はソフトドリンクでいいんすか?」
「コイツ乗せて来てるから!」
「あ、はい。了解っす」
「なぁ桜………」
「………なに?」
「あんな兄貴なんかやめちまえ」
「は?」
思わず太陽を見ると、頬杖ついたままカウンター内の一点を見つめてる。
「俺なら桜だけにする。他の女なんか要らない」


