「あ、そうだ。
話題、変わるんだけどさ。ユカとヒロって、幼馴染みなんだよね?」


「うん。小さい頃からずっと一緒やった。」


「いいなぁ。」


カズキはそう言った。


どこか遠くを見るような目で。


「カズキもおるやろ、幼馴染みとか?」


「いるよ。
でも引っ越しとかばっかりしてるし、もうずっとあってないな...」


「会いに行ったらええやん。
みんな喜ぶと思うで?」


今思えば、私はこの時カズキに無神経にひどいことを言っていたのかもしれない。


自転車を押す私と、
隣を歩くカズキ。


私達がこの距離を保てていたら、
この先私達はもっと幸せに暮らしてたかもしれない。