きっかけは、高校の同窓会だった。


高3の卒業前、「タイムカプセル、やろう!」と誰かが言ったのが始まり。


私達は10年後の自分たちに向けて、
手紙や大事な物をタイムカプセルの中に入れた。


“森田由佳”


そう書かれた古ぼけた紙の貼ってある缶の中身を覗く。


「わぁ。ユカからの手紙、はいっとるよ!」


友人のミカが隣で言う。


「懐かしいねぇ...これ、うちが書いたんやね。
あ、ミカからの手紙もはいっとるよ。」


他にも仲の良かった子たちからの手紙が何通か、入っていた。


一枚一枚、読んで行く。