『あたしは親を恨んでる。

だけどこのままじゃ…

ただの捨てられた人間だ。

だからあたしは…

ここの兄貴に護身術習って強くなって

自分の組を持つんだ』

あの時朱莉は…

そう言ったんだよな。

俺と朱莉の

兄貴のような存在の奴に

『護身術を教えてください!』

俺と朱莉はそう頼みこんで

中学になるまでずっと

教えてもらっていたんだ。

『あたしは強くなって…。

あたしみたいになった人間を

救ってやりたいんだ。

何もできない人間なんて

存在する価値も

存在する意味も

ねぇんだよ』

中学に入学する前

朱莉はそう言った。