「何…してんだろうな。

同じ過ち(あやまち)は

繰り返さないって決めたのに…」

朱莉は辛そうに

拳を握り締めていた。

「朱莉…」

「もう…あの日みたいなことは

絶対起こしたくなかったのに。

何で…あそこで手…だしたんだろ」

そう言って

力なく笑ったんだ。

いつも強気の朱莉が

今初めて俺に

弱い姿を見せたんだ。

「自分でも怖くて…

こうなること避けてたのにさ。

自分からやっちゃってるって…

マジあり得ないだろ」

それで朱莉は…

涙を流していた。