~king~

朱莉が…

人目に付く場所で…

喧嘩した。

そんとき俺も、

たぶん組員たちも

そんなこと予想してなかっただろう。

今までにないぐらいキレて

『………あたしらの…

ルールに反する』

って。

んで今倉庫では…

組員はいつも通りじゃれてるけど

朱莉は険しい顔で

いつものソファーで

座ってる。

「……朱莉」

「連…」

俺が朱莉を呼んだ時。

朱莉の顔は

すげぇ辛そうだった。

「……大丈夫か」

俺にはそれぐらいしか

声をかけてやることが出来なくて。

自分の力のなさに

いらだった。