『昼寝中ですか?夢遊病は独りでやってください』


と言いながら茫然と見ているクラスメイトの間を縫ってトイレに向かった。


自分でも焦ってしまい、自己紹介が遅れました…

心臓はバクバク言っていますっ!!


トイレに行く道中ですみません…


あたしは冴草 凛(サエグサ リン)

16歳の高校1年生。


何系か?と言われたら至って"普通"の女子高生。

ちょと茶色くした髪の毛が肩までストレート。

校則にひっかからないくらいの薄いメイク。

成績は中の中。

それと言って取り柄もないような、普通の女子高生。

ギャル系でもオタク寄りにも属さいから、グループに入るわけでもない。


しつこいですが極普通の女子高生。


ちなみに付き合った人はいたけれど…。至って人並み。

てゆうか、多分経験値的には人並み以下です。



イマ…一体あたしの身に何が起こっているのですか…?


『おーい!!』


………っ!!


教室を出たあたしを軽く呼びながら、例の告白男--藤堂 響は追いかけて来た。


あたしはピタリと止まり振り返る。


『うわっと!!』


急に止まったあたしに勢いが止まらない藤堂響…


ズテンッ!!


瞳の前でスベってずっこけた…

カッコ悪…


『イタタ…』

そう言いながら立ち上がる藤堂響…



うわっ


確かに…

周りから騒がれるだけある…


第3ボタンまで外した上に取り敢えず首に掛けましたネクタイ…

シャツは全出し、黒いTシャツが見えている。


崩して着てる制服から見える金色ネックレス。

ちょっと長めの茶色い髪の毛は、廊下の窓からの光を受けてキラキラと金色に透けていた。