『せっかく藤堂の方から接近してきたんだしさ、自分の歴史の中に「藤堂響」というイケメンを刻み込まないで何やってんの?!』

と熱烈に続ける。


めーたんには完全に他人事…


『あたしと芽奈は違うじゃん…』



恋多き女の子の芽奈サマと小さな恋物語みたいな、恋愛をしてきたあたし…


「カッコイイ」からとか「有名」だからで、誰でもいいわけじゃないんだもん。

そんな気持ちを「大事にしたい」なんておもうのは変なのかなぁ…


「恋」に恋してるようじゃダメなのかなぁ…


『いい?凛!!「すききらい」関係なくイケメンには喰われとけ!!めーたんの格言よ!!』

そんなあたしに芽奈は耳打ち…


くわくわ喰われとけってっ…っ///


『えぇっ!!』

と机から顔を上げた。

『凛の処女を藤堂響にあげちゃえば♪』
『嫌』

即答、する。


それに…初めてを…藤堂響と…///





…っ///



『藤堂響に全てをリードしてもらってさー』


何言ってんのっ芽奈!!


『のぁぁぁあああ!!無理無理無理無理無理!!!!』


要らぬ妄想と想像で独り勝手に大パニックのあたし。


「あーあ何であたしじゃなくて凛なのよぉー」とあたしを無視してしょぼくれてる芽奈の横…

ガンッ

と机に突っ伏した。




確かに藤堂響にドキッとしたのも確か。


ネコに邪魔されたって思ったのも確か。


藤堂響と付き合ったら恋愛初心者には良いとかあるのかも?

いやいや魔界へ落とされるっ!!

頭の中に想い浮かべたことに自分で突っ込んだ。



だって、あたしは藤堂響をすきなわけじゃないよ…


ちょっと翻弄されてるだけだよ。


藤堂があたしと「付き合って」なんて言うのもリアリティーにかけるし。