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『で?平和にネコとお弁当食べて、帰って来たと…?』

あたしの話を聞き終わった芽奈は不思議そうな顔で言ったとさ…

『有名人藤堂響と二人きりでご飯食べただけねぇ…?あり得ない』


『んー…でも藤堂響も話したら結構普通?だったよー?』


あたしは、ぽけーとただ言葉を漏らす。


『普通って…あれだけ良からぬ噂の藤堂響だよ?藤堂の普通なんて一般人から見たら「異常」なの。一般レベルの「普通」は嘘の藤堂響の姿に決まってるじゃない!!』

芽奈はハッキリキッパリ言った。


藤堂響…悲惨な言われ方です…

芽奈に全否定をされています…


『そうだよねー…』

『てゆうか、凛は何でさっきから、そんなにボケッてしてるの?』

『そう…?』


いや、芽奈の言う通り、あたしは考え事をしていた…

『凛はネコに負けちゃうしねぇ〜…』

でも芽奈はあたしの様子をたいして気にせずに話を続けてるけど


『負けって…なんの勝ちま、け…』





"ネコもライバルか…"



芽奈の言葉を半分聞き流しながら、また…ぼーっ。


あたしは、確かにあの時"ネコもライバル"と思った。


何で…?


ライバルって…それは少なくても藤堂との時間を、ネコに邪魔されたと思っていたって事じゃんかっ?!


いやいやいやいや

それは無い。





無い?


うーん…





『こうなったら何かのラッキーだと思っていっそ付き合っちゃえば?ふふっ』


ん?!


…って


ちょっとっ何をサラリと言ってるのっ



『めーたんっ顔が面白そうだよっ!!』

「そう?」と芽奈は笑いを堪えている。

『あたしは凛が嫌じゃなかったら藤堂響だっても「有」だとおもうけどなぁ〜?なんてね』

『待ってよ!!芽奈!!面白がんないでっ!!』

あたしはハッとなって大きな声を出した。


『でもさぁバカだねぇ。藤堂響に誘われて、何もせずに帰ったアホは凛くらいよ?きっと♪』

『はぁいっッ?』