『俺の番号♪弁当は昼まで人質♪ってか物質?男からガンガン行かないとさっ』


そしてあたしのお弁当を鞄から出して持って行ってしまった…


『ちょっと!!藤堂響ーっ!!』


彼はあっという間に消え去った。


『おごるって…お弁当、持っていったし…奢るじゃないじゃん…』


過ぎ去った嵐にポツリ呟く、あたし…。


去り行く藤堂の背中に「響~あそぼー♪」と女の子の声。

それに「明日ね~♪」と答えて消えてく藤堂響を呆気に取られて見ていた。


しかも「ガンガン行かないとさ」って…何・・・??


まぁ、、、お昼にお弁当取り返して帰ってくればいっか…


―――――


そんなこんなで、お昼の時間。

授業終わりのチャイムが鳴ったと同時にあたしの携帯がバイブした。


―着信。090*****777―


名前が登録されてない11桁の番号が表示されている…

下三桁…7が3つ…
ラッキー7

なんてオメデタイ…藤堂響であろう携帯ナンバー…

なんだかそれすら彼を形取るアイテムになっている気がする…


恐る恐る通話ボタンに手をかけた…


ドキドキドキドキ


『も、もしもし…』

〈俺。〉


うわっ


電話の藤堂の声はなんだか低くて、無駄にドキッとしてしまった。


〈おーい?〉

『う、ん…?』


ドキドキドキドキ


〈調理室の横まで来て〉

『…あ、はい』

〈何で敬語?まぁいーや待ってる〉


うわぁぁああ!!


―――――


『だって…藤堂響と調理室って変な組み合わせだなって…』


電話で思わず敬語だったのはこう思ったからで…


『そう?』


電話と会って話すのと感じが違って少し戸惑ったわけで…

携帯から淡々と聞こえた声音が、また知らない藤堂響を教えてくれた。

あたしは無駄にドキドキしていた…。


呼ばれた通りに調理室に行くと、階段と調理室の間にあるドアの前にダルそうに座っていた藤堂響。

あたしの足音に気付いて顔をあげた。


不意なその顔すら気を抜くと腰が抜けてしまいそうっ///