「悠斗ーホテル着いたけど。」


「おっ、さんきゅ。根本もう帰っちゃって良いからー。」


「わかった。…けどさすがに、この子はやばくないか?お前無理矢理襲ったなんてバレたら退学だぞ?」


何話してんだろ?


やばいとか退学とか聞こえたけど…安井のこと?


「いや、大丈夫。俺だって、やって良い子と悪い子くらいわかるから(笑)」


「なら良いけど。」


「じゃ、結菜いこっか。」


腰に手を回された私は、もう顔から火が出るんじゃないかと思うほど恥ずかしくて。


しかも見るからに高そうなホテル。


こんなホテルに私の血が付いちゃったら誰がお金払うの?私?


私コンサートのグッズ買っちゃったからお金ないのにっ


そんなことを考えている間に、安井くんは慣れた様子でエレベーターに乗る。


エレベーターの中で見た安井くんはどう見てもあの安井くんで私の心臓はより一層高鳴る。


「ん?俺の顔になんか付いてる?」


「いや…」


私は恥ずかしくて、安井くんと目を合わすことすら出来ない。