「違う違う。俺、超能力とかないよ(笑)」


「えっ?なんで…」


「君、考えてること全部口から出てきてるよ。」


…恥ずかしい。


「とりあえずここは暗いから車の中入ろっか。ねっ。」


「いや、けど悪いですっ!そんな車まで図々しく…」


安井くんはニコッと笑って私に優しく言った。


「俺、泣いてる女の子のこと、ひとりになんて出来ないから」


見つけてしまいましたっ!
これぞ王子様っ!


外見が良いだけじゃなくて性格までこんなに良いなんて神様、贔屓しすぎーっ///


「はい、暗いから捕まって?」


そう言って安井くんは当たり前かのように私に手を伸ばす


「…ありがとうございます」


ダメだ。私、今生きてる?
夢?あ、夢なのかな?


「ほーら、大丈夫?頭ぶつけないように注意してね」


「いったーい(泣)」


…現実でした。


「ほら、言ったじゃん(笑)よし、じゃあ狭いけどおいで」


予想してた車とは違ってその車はずいぶんと質素だった