「ねぇハル・・・俺さ、生活用品がまったくないんだけど」
『何言ってんのよ、そんぐらい自分でなんとかしなさい』
「ケチ。・・・ハル、お願い」

抱きついて耳元で囁かれる。

『っ!?アンタ・・キャラかわってない///?』
「そんな小さいこと気にしちゃダメだって」
『そんなことより!離れてよっ///』
「こんぐらい飼い主とペットのコミュニケーションでしょ?」

何言ってくれてんだか・・・。
可愛い犬ならまだしもケダモノの世話なんて御免だ!

『じゃ、お金を渡すから自分で買ってきて』
「ありがと、ハル」

頭を撫でられる。
するとまた思い出すあの人の記憶。

「何、どうした?固まっちゃって・・・そんなに俺に撫でられるのが好き?」
『馬鹿言わないでよ!私は今から仕事があるから準備する!』

どけ、と言わんばかりに私にくっついていたコイツを引っぺがす。

「え、ハルって何の仕事してんの?」
『警察よ』

「・・・。」

『何その顔は』
「いや、婦警は男のロマンだと思って」
『アンタ本当に変態ね』
「翔太」
『何よ、自分の名前言って』
「俺の名前は翔太」
『いや、知ってるけどさ』

ついに頭でもおかしくなっちゃったの?
そう言おうとすれば、

「名前で呼んでよ」

だなんて言ってくる。

なるほどね、

『翔太』
「何?ハル」

試しに呼んでみればとても嬉しそうな顔をする。

結構、単純ね。

そんなことを思い笑った。