幼少の頃
たくさんいるいとこの中でも
特別オレだけ
おじいちゃん(母方の父)にかわいがられていました

なぜオレだけ特別かわいがられていたのか
今となってはわからないけれど
アルバムを開くと
おじいちゃんのひざの上でじゃれる自分

一緒にごはんを食べる自分など
おじいちゃんとの写真が
数多くある

オレの名前も
おじいちゃんの名前の
漢字一文字が付けられているほどだ

そんなおじいちゃんが
大好きでした

中2になったある日
学校で授業を受けていると
先生が教室に駆け込んできた

「今すぐ家に帰って」

訳もわからず
家に帰ると

母が身支度をしていた

「どうしたの?」
と聞くと
「おじいちゃんのお葬式に行くんだよ
早く支度しなさい」
と軽く頭を撫でられた

「そんな・・・」

悲しむ暇もなく
おじいちゃんの住む
関東の家に向かいました

着くと
久しぶりに顔を合わせる
親戚のおじさんおばさん達がいました

部屋に通され
「顔見てあげて」
と布をめくると

冷たくなったおじいちゃんが
横たわっていました

母は泣きじゃくっていたけれど

オレは不思議と涙は出なかった
それは 悲しみを通り越して出なかったのか
現実逃避から出なかったのかはわからないけれど・・・