母さんがユウカを虐待する理由も、逆に僕には指一本触れない理由も、なんとなくわかってきた。



母さんは途轍もなく、完璧主義だった。
きっと今でもそうだけど…


僕のように何でも完璧にできる子だったなら、ユウカのことも、もっと大事にしてくれたんじゃないかと思う。

でもユウカは何も悪くない。




ユウカはただ子どもらしく、笑顔で元気に前向きに生きてるだけだ。





『まもるちゃん…?』




ユウカの可愛らしい声が、僕には聞こえる。
でときっと母さんには届かない。
僕だけがきける。
可愛らしいこの声を…