「人は見た目で判断するものじゃないぞ」


ちらりとアランが船を見渡す。
そして、口元を薄っすら浮かべた。



「・・・それにしてもお前達は無傷、海賊軍は屍、か・・・・・」

「俺らを見縊り過ぎたんだな」



アキが転がっている海賊の頭を踏みつける。


「・・・・・・・・・・・まぁ、お前達を消すのともう一つ・・・なんだけどなぁ」


聞こえない位の声で呟く。

勿論、刀を振るう船員の誰一人にも聞こえなかった。




「・・・・・・・・シーザが居ない。あいつ早とちりしたなぁ?ハッハッハッハ」

「船長、また笑ってますよあいつ」

「あいつを斬るのはこの後だ」

「はい」



そして、この甲板には届かない悲鳴が聞こえたのも、誰一人気付かなかった。