赤色の布を巻き付けた海賊が、“死神船”に怖気づく。




「この船を襲った事を後悔させてやる」




アキが剣を振るう。

赤色が、視界全体に舞った。




「うわ、何だこれ」


そして、ふと感じる視線にアキは後ろを振り返った。



「・・・・・・・・・・・・・貴様は誰だ」



アキや船員達が斬り捨てた屍の山を踏みつけながら、その男は近付いてくる。



「わし?わしは“ベイズラリア”の船長、アラン・ベレナイシーだ!」


ウルが思わず呟いた。


「船長、案外あっさり向こうの船長出てきましたね」

「俺も思ったところだ」


豪快に笑う男を尻目に、アキは次々と襲ってくる海賊達を斬り捨てる。


「何だ何だ無視か!お前ら!!ハッハッハッハ」

「おい貴様、およそ船長には見えないのだが」


アキは船体の縁に腰を落ち着けているアランを見回した。

頭に赤色の布が巻かれていて、ざんばらに伸びている髪は金色だ。
そして、見るからに外見はただの中年。