□ □ □ 「む」 莫大な大きさの屋敷で、書類確認をしていたリゲは顔を上げた。 海が見張らせる、ベランダ。 「海が荒れるな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、あいつらが巻き込まれなければ良いのだが」 潮風が彼の美しい長髪を靡かせる。 リゲは眉を寄せたままだ。 「・・・・・・・・・嫌な雰囲気の海だな」 目の前に広がる大海をリゲは不機嫌そうに眺めた。 一見、青い空に元気な鳥達。静かな波、生き物達。どこも“嫌”な要素は無い。 そして、リゲは書類にまた目を落とした。