バアン!
上から激しい物音がする。
「?!何だ何だ?!」
ウルは素早く階段を駆け上がり、船長室の扉を開けた。
「せんちょ・・・・・・・・・・」
そして、部屋に入った瞬間ウルの動きが止まる。
「何だ、ウルか。こいつの同胞かと思ったぞ」
ウルの鼻先には、剣。
しっかり目が開いている船長の両手には、それぞれ二本の剣が。
「せ、船長・・・・・・、俺はともかく、・・・
アイツは誰ですか?」
アキのもう片方の剣先には、明らかに海賊の身形をした男が立っていた。
「知らん。勝手に入ってきたのだ」
「勝手に入って来たからな」
剣先を突きつけられたまま、その男は笑ってみせる。
その態度に腹を立てたのか、アキはそのまま剣を振りかざす。
「っと!!あんたが船長さん?中々良い腕してるじゃんか!」
ガキン、とすぐさま男も腰にさしていた剣を抜き取り、アキの剣を受ける。
「戯言など聞きたくも無い。貴様は誰だ」
ぎち、と剣同士が鳴く。
ウルはどうして良いものかとうろたえていた。

