「おい、リゲ」



黒髪が踏み鳴らす大理石が高い音を奏でた。


「貴様また移転したな・・・・・・・・こっちの身にもなれ」


どかりと巨大な建物のホールにあったテーブルに腰掛ける。

そして、溜め息をこぼす。



「おい、びびってないで出て来い」

「びびってない」


バタン、と盛大な物音がし、奥から人物は現れた。



「いつもの銃と、刀。それとこないだ大砲かましたから大砲玉。」

「矢継ぎ早に言うんじゃない。アキ、お前また漁船を破壊しただろう」

「あれは漁船が船の針路を邪魔したんだ。仕方無い」

「仕方無い訳あるか!」


アキと呼ばれた黒髪同様、透き通る長い金髪を揺らしたリゲはテーブルを叩いた。



「お前、そんな長ったらしい髪で苛々しないのか」

「誰かのせいでいつも切るタイミングを逃すのだ!」

「そんな事言って少し自分の容姿に陶酔してるんだろう」

「貴様も同じ様なものだろう」

「ほざけ」


ベルトに固定してあった、アキの長刀が鳴る。


「早く、頼んだモノをよこせ。誰のおかげで今のヨーロッパ政府が出来ているのかわかってるか」

「・・・・・・・・・・・・・・・ぐ、」



リゲは奥歯を噛み締めた。