海上船内物語



「ああああ苦しいです、船長すいません」

「もう笑わんと俺に誓え。次は地中海の底に沈めるぞ」


ウルが全力で頷くのを見て、アキは手を離す。


「・・・・また、何でカイルなんかを」


アキが嫌そうな顔を浮かべる。

それを見て、ウルは笑わないよう口元をしっかりと締めた。



「全裸で、男の目を見る女がいるだろうか」


ウルは吹き出してしまう。

アキは剣を手にかけた。


「本当すいません!もう次は笑わないって誓います!」


アキは剣をしまった。


「・・・・全裸で、ねぇ・・・・」


ふてぶてしく壁にもたれかかるアキは、意気消沈としている。

ウルはそんなアキを眺めながら、海に視線をやった。


「まぁ、カイルも女っぽくないですもんね。意識がない、って言うか」

「あぁ、事実だ。」

「けど今回は船長の失敗ですよね」


無言でアキはウルを睨み付ける。

ウルは肩を竦めて見せた。


「それと・・・・・・、これは皆に言うべき迷ってるところなんだ」

「何ですか?」


アキも視線を海に投げた。