海上船内物語



「じゃあ遠慮なく・・・・・」


ウルの拳はアキの顔面に激突する。


「痛い!何するんだ!」

「ええええええ!いつもの船長だ!」




潮風が、アキを撫でる。

ウルが困ったようにその姿を見上げた。


「・・・・・で、どうしたんですか」


アキは顔をしかめた。

そして、口を開く。


「・・・・・・カイルを、抱いてしまった」



数分間、ウルは笑い止まなかった。

アキに全力で殴られながらも、ウルはそれを吹き飛ばすかのように笑った。



「ウル!貴様海に落すぞ!!」

「ごめんなさいいいひいいいははは」

「・・・・・・・・・!!!」


床でごろごろ転げまわっているウルの背中を、アキは全力で足蹴にする。

そして、ウルを睨みつけた。


「ひぃひぃ・・・・で、カイルは」

「朝起きたら、横で寝てた」

「・・・・・・!!」


笑い始めるウルの首を絞めるアキ。