海上船内物語



「・・・・・・・・・っ、ぃ!」


ぎちりとベッドが軋んだ。

軋む、より動いた、の方が正しいかもしれない。


「・・・・・・う、あ 」


起き上がろうとするカイルの右肘がベッドにつく。

アキの髪がカイルの頬に触れた。


「・・・・ア キ、・・・・・・・!」


カイルはベッドを引っ掻くようにして、片腕を引っ込める。

金髪が肩からベッドにはらりと落ちた。


はぁ、とカイルの吐息が漏れる。

重ねたアキの手を引っ掻きながら、カイルは顔を横に向け、アキの顔を見た。


「っ、・・・・・・・・・・・は」


カイルの脚が震える。


「・・・・・・・・し、ぬ・・・・・・・」

「これくらいで死ぬわけがないだろう」

「ぅあっ?!」


はらり、と金髪が落ちる。

アキは、じんわりと汗ばんでいるカイルの項に、キスを落した。


「・・・・・・・・・は、・・・・・・・・っあ・・・・・・」


カイルは歪んだ顔をアキに見せつける。

それを見て、アキは鼻で笑った。


「ア、・・・・・キ!も、だめ・・・・・・・・」

「根を上げるのが早いな」


ぎしり、とベッドが動くように軋む。

それに伴って悲鳴が喉から漏れ、荒い息が重なる。


じんわりと、時間は過ぎていった。