「・・・・・・別に構わない」
顔を隠しながら、カイルは勢いよく起き上がった。
「・・・・・・・・アキは、嫌じゃないの?」
「お前のを無理矢理見た手前、嫌がる権利はないだろう」
カイルは顔を隠していた手をおろし、怖々アキを見上げた。
そして身を乗り出すと、ひとつひとつの傷痕を眺める。
「・・・・・・・アキのは傷が薄いんだね」
「あぁ、幾つだっただろうか・・、大分前につけられたものだから、薄くなったのだろう」
「何歳?」
「まだ五つにもなってない頃だったはずだ」
「え、アキって今いくつなの?」
きょとんとした目で見上げるカイル。
アキは拍子抜けした顔で彼女を見下ろした。
「・・・・・・・教えん」
「何で!」
「お前、笑うだろ」
「・・・・・なんで」
アキはカイルの問いかけを無視して、そっぽを向いた。

