カイルに腹を立てたシーザは、両足首を掴んで、そのままカイルの体の横につけるようにして、足を開いた。

カイルの骨から鈍い音がする。


「いっだああ!!何すんだ、この野郎!!」

「今ぼきって言ったな。どんだけ固いんだよ、お前の体は」


シーザを蹴り上げて、蹲りながら悶絶するカイルは涙目だった。



「・・・・・・手前ぇ確か、ガキの頃によく海に来なかったか?」


シーザが足を離して、神妙な顔つきでカイルに聞く。



「海・・・・?あぁ、毎日行ったな。ガキの頃は」


カイルが体を起こし、壁に凭れる。
堅いベッドが軋んだ。


「何で知ってんだ?そのときはお前居なかったのに」


痛んだ股関節を撫でながら、カイルは首を傾げてシーザを覗く。


気の抜けていたシーザが一瞬はっとし、視線をカイルに戻した。



「・・・・・・・あぁ、いや・・・・・何でもねぇ」


シーザが立ち上がり、カイルを一目も見ないで部屋を出て行く。



「・・・・・・?何だあいつ・・・・・・・。」



カイルが一人、首を傾げながらベッドに寝転んだ。