「俺は“強い奴”しか船に乗せたくない。弱い奴など居ても足手纏いになるだけだ」
吐き捨てるように、言い放つ。
「・・・・・・・・・俺、港で働いた事あっから海の動きは分かるぜ」
「俺でも分かる」
「乗せろよ」
「早くそこから飛び降りて、死ね」
がん、と少年の脇横を蹴り飛ばすアキ。
「お前がぐだぐだしているのなら、俺が手を下すまでだ」
「はっ?!え?!ちょっ!!」
アキは刀を持ち直した。
それを見て少年は周りに何か無いかと見渡すが、焦りでそんな物は見えない。
「ちょっ・・・・・・・・・・・・!!!」
アキが眉を寄せ、馬鹿長い刀を少年目掛けて振り下ろした。
ザクリ。
肉が裂ける音がする。
甲板に、並んだ血飛沫が飛び散る。
アキが息を吐いた。
「痛ェ・・・・・・・・・・・」
「?!」
少年の右手、から鮮血が大量に流れた。

