舞 side













AM 7:55



んにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!






どうしてお母さん、起こしてくれなかったのよ~!
遅刻する~!




普通の日ならいいけど、入学式早々遅刻なんてしたら・・・
先輩に目付けられちゃう!!




やばいぃぃぃぃ!!いそがなきゃ!!!!





私は慌てて靴を履き、学校に向かって全力疾走したのだった。




まぁ、いくらパンをくわえて走っても素敵な王子様はやって来ないのです。


















「それでは新入生の皆さんは入場して下さい。」





司会の先生がそう言うと、体育館のドアが開いた。




ちなみに私はぎりぎりセーフで間に合いましたよ。






校長先生やらPTA会長やらの、非常にありがたくない長い長いお話を聞き、
どうやら今度は集合写真を撮るようだ。








「舞・・・。ドンマイ。諦めろ。」




そう呆れたように声をかけてきたのは、私が一番信頼している人。




佐藤 葵。



私はあおちゃんって呼んでるんだ。



あおちゃんは誰にも媚びないし、勉強ができて面倒見のいいお姉ちゃんタイプで、カッコいい。




同性だけど、もしも私が男だったら絶対に好きになちゃう!!!
ってくらい大好き!!!






「あおちゃーん・・・。もう嫌・・・カメラなんて・・・写真なんて、
この世から消えてなくなればいいのにぃ!!!!」