「いい気味」
佐々木君が笑う。
「工藤さんを泣かせたバツだよ。少しは反省しろってね」
そして、ゆったり構えた佐々木君は、
「大丈夫だよ。あいつはどんなことしても工藤さんとこ戻ってくるから」
と言って私の指を持ち上げた。
「工藤さんは、隠れながら柚木だけを呼び寄せる魔法持ってるしね?」
「え?」
隠れながら、柚木君を呼び寄せる魔法?
持ち上げられた、指……。
「あ」
私が声を上げると
「あぁ、また俺、柚木の手助けしちゃった」って、苦笑いをする佐々木君。
でも、そう言う佐々木の学ランも、ボタンが2つ消えている。
「もらって欲しい人は欲しがってくれないんだけどね」
佐々木君の言葉が胸にチクンと刺さる。
ごめんね。
ありがとう。
「早く隠れてないと、あの女子達の怒りの矛先が工藤さんに向かっちゃうかもよ」
柚木君は、なんとか囲まれた女子の間から抜け出し走り出そうとしているとこだった。
「柚木ー」
田辺さんがイラッとした声をあげている。
佐々木君は、私の指を離すと「頑張れ」と言って背中を押してくれた。
佐々木君は、いつもそうだ。
何度もこうして、私が柚木君のところへ行けるように背中を押してくれる。
「佐々木君」
「早く行きな」
あなたには、ごめんねとありがとうしか言えなかった。
佐々木君が求めてる言葉を伝えることは出来ないから、それ以上何も言えなかったけど。
だけど、ありがとう以上の言葉があるなら、この気持ちをうまく伝えられるのにって思う。
佐々木君は、そんな私の気持ちを知ってか
「大丈夫。わかってるから」
と微笑んだ。
佐々木君が笑う。
「工藤さんを泣かせたバツだよ。少しは反省しろってね」
そして、ゆったり構えた佐々木君は、
「大丈夫だよ。あいつはどんなことしても工藤さんとこ戻ってくるから」
と言って私の指を持ち上げた。
「工藤さんは、隠れながら柚木だけを呼び寄せる魔法持ってるしね?」
「え?」
隠れながら、柚木君を呼び寄せる魔法?
持ち上げられた、指……。
「あ」
私が声を上げると
「あぁ、また俺、柚木の手助けしちゃった」って、苦笑いをする佐々木君。
でも、そう言う佐々木の学ランも、ボタンが2つ消えている。
「もらって欲しい人は欲しがってくれないんだけどね」
佐々木君の言葉が胸にチクンと刺さる。
ごめんね。
ありがとう。
「早く隠れてないと、あの女子達の怒りの矛先が工藤さんに向かっちゃうかもよ」
柚木君は、なんとか囲まれた女子の間から抜け出し走り出そうとしているとこだった。
「柚木ー」
田辺さんがイラッとした声をあげている。
佐々木君は、私の指を離すと「頑張れ」と言って背中を押してくれた。
佐々木君は、いつもそうだ。
何度もこうして、私が柚木君のところへ行けるように背中を押してくれる。
「佐々木君」
「早く行きな」
あなたには、ごめんねとありがとうしか言えなかった。
佐々木君が求めてる言葉を伝えることは出来ないから、それ以上何も言えなかったけど。
だけど、ありがとう以上の言葉があるなら、この気持ちをうまく伝えられるのにって思う。
佐々木君は、そんな私の気持ちを知ってか
「大丈夫。わかってるから」
と微笑んだ。

