「柚木も突っ立ってないで何か言ったら?あんたがハッキリしないからややこしくなるんだよ」

ナカちゃん……私には逃げ場がないから、もう柚木君だけでも解放してあげて下さい。

結局プリントを脇に抱えて、くじいた足を引きずる私に肩を貸してくれるナカちゃん……と、その後ろを歩く柚木君。

私はどこまでマヌケな姿をさらせばいいのだろう。



そして1時間目。

山崎先生は何を思ったか授業を早めに切り上げ、余った最後の10分で席替えをすると言い出す。

その席が。

窓際の一番前、と言うのは良しとして。

なぜか私の隣に柚木君。

その後ろにナカちゃんと北川君。

先生ちがーうっっ!

間違ってる!

心の中で叫ぶも虚しく。

柚木君にウインクする先生と、睨んでプイッと顔を背ける柚木君がいた。