ボクは桜、キミは唄う

「いいか、覚えておけ!俺はな、しつこい男だぞ。一度は諦めたけど、また火つけたのはお前だからな!後悔しても遅いぞ!もう逃がさねーからな!」

「ナカ、ナカちゃん」

私は慌ててナカちゃんの肩を揺すった。

ねぇ、聞こえてる?

ナカちゃん、今すごい告白受けてるんだよ?

「もういいっつっても、離さねーからな!」

「ナカちゃんっ」

「離さねーからな!!」

「ナカちゃんっ!」

肩を揺するだけじゃ足りなくて、私はナカちゃんの体ごとユッサユッサ揺らした。

ナカちゃんはゆっくり立ち上がると、窓を開ける。

そして、

「うっさい、このボケ!そんなでかい声出さなくても聞こえてるんだよ!近所迷惑もいい加減にしろ!」

北川君に負けないくらいの大声で叫んだ。

「ナカ……ちゃん?」

ここはもっと乙女に返事するとこじゃないの?